"setup" を起動して "fdisk" を選べば HDD 上に Linux 用のパーティションを作成する "fdisk" が起動されます。
fdisk
は HDD のパーティションを操作するためのツールで、不要な
MS-DOS 用のパーティションを削除したり、Linux 用に新しくパーティションを
作成したり、パーティションの種類を変更したりします。
増設した HDD を fdisk
する場合は、"n"コマンドで新し
く Linux 用のパーティションを作成してください。
Windows/DOS 用の HDD を Linux で使うためには、まず DOS 上で FIPS.EXE や
Partition Magic(市販ソフト)を使って Windows/DOS 用の領域を縮小して、
Linux で使うための領域を確保してください。その後、Plamo Linux のインストー
ラを起動し、fdisk
で不要な方の Windows/DOS 用パーティションを削
除し、Linux 用のパーティションを作成してください。
パーティションの切り方は HDD の容量や使用方法によって異なりますが、以下 では「お勧め」パッケージをインストールすることを前提に、一般的なパーティ ションの分け方をいくつか紹介します。
Linux でパーティションを作成する場合、以下のポイントから考えるのがいいで しょう。
ただし、ファイルをスワップ用に使うと多少効率が悪くなるようです。仮想メモリの管理がそれほど得意ではなかった従来の UNIX では、「スワップ領 域は実メモリの倍程度必要」と言われていましたが、最近の UNIX では実際に必 要になった量だけのスワップ領域を使うようになっていますので、スワップ領域 の大きさに特に制限はありませんので、(必要なメモリ量 = 実メモリ量 + スワッ プ領域量)と考えればいいでしょう。 最近のようにメモリが安くなり、64M 以上のメモリを積んでいるマシンならば、 特にスワップ領域を設けなくても問題ないと思いますが、ソフトウェアの中には スワップを積極的に利用する類いのものが見られるので、16M 〜 32M 程度のス ワップ領域を確保しておく方がいいかも知れません。 あくまで目安ですが、通常のソフトウェアを使用する限り、32M 程度をスワップ 領域に用意しておけばいいでしょう。
もちろんこれは一般論なので、お使いのアプリケーションによって必要なスワッ プ領域の大きさは異なります。スワップ領域を専用のパーティションに取る場合、
fdisk
の
"n" コマンドで必要な大きさのパーティションを作成した後、
"t"コマンドでパーティションの識別番号を 82 に変更してくださ
い。
ファイルをパーティション領域に使う場合、Plamo Linux をインストールして再
起動した後、以下の手順でファイルをスワップ用に用意します。ここではスワッ
プ用のファイルは /swapfile
にしていますが、ファイル名や置き場所
は自由です。
# dd if=</dev</zero of=</swapfile bs=1k count=16000(16M のスワップ用ファイルを作成)
# mkswap </swapfile(swapfile をスワップとして使う準備)
# swapon </swapfile(</swap file をスワップファイルとして使用)
/
と /home
を別パーティショ
ンにした場合、/
パーティションには余裕があっても、
/home
パーティションは一杯になるということが生じ、全体的には多
少ディスクの利用効率が悪くなります。
また、基本パーティションは 1 つの HDD 内に 4 つまでしか作れないので、そ
れ以上のパーティションを使う場合、拡張パーテイションとして一つの論理パー
ティションを細分する必要があります。
私自身は HDD を 500M 以上使える場合はたいていユーザ用のパーティションと システム用のパーテイションを分けて、
/home
) : 残り全部という形で運用しています。
500M 以下の領域しか使えない場合は、
のような形にすることが多いです。
ここで Plamo Linux をインストールした場合の /
にある各ディレクト
リの名称と役割を紹介します。ディスクのパーティションを分割する場合の参考
にしてください。
cat
や ls
、cp
など、システムの運用用の基本コ
マンドを集めたディレクトリです。このディレクトリは /
パーティショ
ンと別のパーティションに置くことも可能ですが、別パーティションに置くとシ
ステムがトラブルを起した場合の作業が困難になので、/
パーティショ
ンと同じパーティションに置く方がいいでしょう。
lilo
用の設定ファイルなどを収めたディレクトリです。このディレク
トリは /
パーティションとは別のパーティションには置けません。
CD-ROM をマウントするためのディレクトリです。単にマウント用のポイントを 提供しているだけなので、別パーティションにする必要はありません。
各種のハードウェアを操作するためのデバイスファイルを集めたディレクトリで す。このディレクトリは別パーティションにはできません。
システムの設定ファイルを集めたディレクトリです。このディレクトリは別パー ティションにはできません。
ユーザのホームディレクトリが置かれるディレクトリです。/
パーティ
ションと別のパーティションにしても構いません。
各種の共有ライブラリを集めたディレクトリです。/
パーティション
と別のパーティションには置けません。
これはそれぞれのパーティションごとに作成されるディレクトリで、そのパーティ ションにあるファイルのうち、何らかのトラブルで迷子になったファイルが格納 されるディレクトリです。
作業用のディスクなどをマウントするためのパーティションです。単なるマウン トポイントです。
現在稼働中のカーネルの情報やプロセスの情報を見るための proc ファイルシス テムと呼ばれる特別のファイルシステムです。仮想的なファイルシステムなので 別パーティションにはできませんし、する必要もありません。
root(superuser)用のホームディレクトリです。root はトラブル時にシングルユー
ザモードでログインすることがあるので、/
パーティションにホーム
ディレクトリが必要になります。
fsck
や fdisk
、shutdown
など主にroot が使うシ
ステムの運用用のコマンドを集めたディレクトリです。別パーティションには置
けません。
各種の作業ファイルなどを一時的に保存するためのディレクトリです。別パーティ
ションにしても構いませんが、シングルユーザモードで作業する場合には
/
パーティションに別途/tmp
を作る必要があるかも知れません。
一般ユーザ用の各種のコマンドや設定、マニュアルなどを収めたディレクトリで す。別パーティションにしても構いません。
ログファイルなどシステムの運用につれて大きくなるファイルを収めたディレク トリです。別パーティションにしても構いません。